幻の黄金郷 エル・ドラードの伝説

フランシスコ・デ・オレリャーナがアマゾン川流域の人里離れたのリオ・ネグロ地方に入ったのは、1542年のことだった。

彼の目的はひとつ。黄金郷(エル・ドラード)を見つけ出すこと。

彼は黄金を発見することはできなかったが、現在ではその失われた都市だと信じられているエル・ドラードと、そしてより価値のあるものを見つけた。

数十万人もの人口を抱える都市同士が結ばれている、巨大な農地の中にあるまっすぐな50マイル以上の土手道。これがオレリャーナがスペイン帰国後に報告した場所。しかし、後に続いた探検家たちは、その伝説の都市を発見することができず、オレリャーナの報告はうその報告だとされた。

現代の人類学者もエル・ドラード伝説をひとつの理由で否定している。土壌がとても痩せてるということ。アマゾン川流域は、土壌の浸食と、痩せた土地ということで悪名高い。つい最近までは、この土地でオレリャーナが報告した都市のような、多くの密集した人口を養うことは不可能だと考えられていた。

それから500年の間に、南米ではアンデスの山奥にマチュピチュの遺跡が発見され、インカ文明の存在が明らかになり、中南米ではマヤ文明の遺跡も発見された。しかし中央アマゾンからは、ピラミッドも寺院も出てこなかった。ただ、広大な草原とジャングルだけだった。

アマゾンに住む先住民も、1万年前の石器時代の人類のような暮らしをしている。まるで何も歴史を持っていないかのように。

しかし、失われた都市には、失われた秘密もある。2002年にデューク大学の科学者たちは、オレリャーナが正しかったことを証明した。そして、その発見は「エル・ドラードの秘密」として、45分のBBCのドキュメンタリーにまとめられた。

ペンシルバニア大学博物館のクラークエリクソンは、サバンナの草原の中に点在するいくつもの森の孤島。その森の孤島が自然のものではない証拠がたくさんでてきた。陶器や炭、食べ物の残骸、人骨。それは人々がここに住んでいたことをしめしている。

エリクソンの同僚のウィリアム・バレー教授は、先住民の言語の中に、農業をしていたらしい言葉がいくつもあることを見つけた。

さらに、川には洪水を防ぐための土手工事をした形跡もある。それは幅10~15メートル高さ2メートルもあり、現在までもよく維持されている。町と町をつなぐためと思われる道や運河もある。それはスペイン人がこの地へ来る前のものだ。

しかし、それでも巨大な都市が存在していたと証明する決定的な証拠がなかった。

食料。多くの密集した人口を養うためには、巨大な農地が必用であるはずだが、アマゾン川流域の土壌は、激しい日差しや豪雨のため、地球上でも最も農業に適さない土地だった。

決定的な証拠として、彼らがどのように痩せ地のアマゾンで食料を生産していたのかを証明しなければならない。

その証拠が見つかった。テラ・プレタと呼ばれる黒い土だった。

 BBCで放送された「The Secret of El Dorado」

関連情報

エル・ドラード(Wikipedia)

フランシスコ・デ・オレリャーナ(Wikipedia)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(Wikipedia)
映画の中で、13個目のクリスタルのスカル(頭蓋骨)を返しに行く「アカトー」という地名に「エル・ドラード」が実在したという設定。オレリャーナもミイラとして登場。